公認会計士試験に合格するまで③

前回までで、公認会計士試験は戦略次第で働きながらでも十分に合格することが可能な試験であること、まずは短答式試験を突破することに全力を尽くすことが大切であることを説明してきた。

そこで、今回は短答式試験合格のための基本戦略を説明したい。

まず、この試験の試験科目は、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目である。試験時間は、財務会計論のみ2時間で、他科目は1時間である。配点は、財務会計論のみ200点で、他科目は100点の合計500点満点である。合格するためには、多少の上下はあるものの、70%の得点が必要になる。つまり、4科目でどのように350点を取るかを考えることが戦略となる。

まず、配点を見ればすぐにわかるように、財務会計論が全体の4割を占める配点となっており、かつ論文式試験でも最も高い配点であること及び、会計士試験合格後も最重要となる科目であることから、財務会計論を得点戦略の中心に据えるべきである。

次に、それを大前提とした上で、試験科目を計算と理論に分けて得点戦略を考えることが重要となる。

試験科目のうち、監査論と企業法は理論科目、管理会計論のうち、3~4割は理論問題、財務会計論のうち、4割強が理論問題である。これらを合計すると、500点中、約320~330点ほどが理論問題となり、配点上は理論問題が計算問題を上回る。では、理論を中心に得点戦略を考えるべきかというと、私はそうは思わない。

 

次回以降、短答式試験の得点戦略を考える上での計算と理論の得点の仕方について説明したい。